組込みシステムにおけるソフトウェア危機が叫ばれ始めしばらくたちます。物理的な大きさも重さもないソフトウェアの品質は、どのようにコントロールすればよいのでしょうか。
膨大な工数をかけて試験を重ねたソフトウェアは、信頼性という意味では高品質なソフトウェアであるといえます。しかしながら、頑健な設計構造を持たないソフトウェアに対して、テストとデバッグを重ねることで不具合を潰しても、その信頼性は脆弱なバランスの上に成り立っているものに過ぎず、保守や拡張に耐えうるものではありません。
それでも、熾烈な商品開発競争にさらされた組込みソフトウェアの開発現場では、そのようなソフトウェアを流用し、腫れ物に触るように修正することで、谷間なく訪れる納期をなんとかやり過ごすという事態が常態化しています。
私はこれまでの経験から、このような状況を改善していくためには、ソフトウェアの品質を多面的・定量的に知ることが有効だと感じました。さまざまな側面から品質を測ることで改善のポイントを絞ることができるだけでなく、客観的な評価を見ることにより開発現場のエンジニアの改善へのモティベーションが高まります。
そして、このような状況になることを未然に防ぐためにも品質の定量化は有効です。品質を継続的にモニタリングすることでソフトウェアの劣化を適宜是正することができると共に、ソフトウェア再構築のタイミングも定量データを判断材料にすることができます。
私たちは、ソフトウェアの品質を定量的に可視化するためのツールを研究・開発しています。さまざまな経験を持つエクスモーションのエンジニアの知見を反映し、開発現場の改善を支援するツールを提供いたします。
筑波大学 第一学群 自然学類 物理学専攻 卒業、
茨城大学大学院 理工学研究科 博士前期課程 数理科学専攻 修了後、
(株)オージス総研に入社。
FA機器・自動車等さまざまなドメインにおいて、
ソフトウェア開発・オブジェクト指向技術の導入支援
コンサルティング・開発プロジェクト診断などの業務に従事。
2008年(株)エクスモーションに入社、現在に至る。
レガシーシステムの可視化と改善、ソフトウェア品質診断
コード解析、ツール開発
茨城大学大学院 理工学研究科 数理科学専攻