近年、自動車のエレクトロニクス化が急速に進み、システムも複雑化、大規模化の一途をたどっています。このような状況の中、車載機器のソフトウェア開発では、開発の高効率化と信頼性確保の実現手段としてMATLAB/Simulinkに代表されるモデルを使った開発(モデルベース開発)への期待が高まっています。
本トレーニングでは、車載機器の開発経験がある方を対象に、クルーズコントロールシステムを題材として、ソフトウェア・エンジニアリング・プロセスに含まれる「ソフトウェア要求分析」「ソフトウェア設計」「ソフトウェア詳細設計」に対し、モデルベース開発(MBD)を適用する方法を、演習を通じて段階的に学んでいきます。
- ソフトウェア要求分析~ソフトウェア設計~ソフトウェア詳細設計において、モデルベースで開発する上でのつながりを理解することができます。
- ソフトウェア要求分析フェーズにおいて、ユースケースモデル、「SysML」要求図、「USDM」を使ったソフトウェア要求の仕様化の方法について理解することができます。
- ソフトウェア設計フェーズにおいて、「UML」を使って、変更や追加に耐えうるアーキテクチャを構築する方法について理解することができます。
- ソフトウェア詳細設計において、MATLAB/Simulink/Stateflow モデルを使って設計する方法について理解することができます。
対象者 | ・MATLAB/Simulink を使ったMBD(モデルベース開発)を導入済みで、より上流からのアプローチを導入したいと思っている方 ・MATLAB/Simulink のモデル品質を改善したいと考えている方 ・MATLAB/Simulink を前提とした上流工程についてのスキルを習得したいと考えている方 |
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受講前提 | ・車載関連ソフト開発の経験者 ・MATLAB/Simulink/Stateflow での「モデル開発」経験者※ ※ソフトウェア要求分析フェーズ・ソフトウェア設計フェーズを範囲とする場合は、必須ではありません。 |
必要時間 | 3日間※ ※ご要望により、ソフトウェア要求分析フェーズ・ソフトウェア設計フェーズのみを範囲として実施することもできます。その場合は、1~2日での実施となります。 |
- ソフトウェア要求分析~ソフトウェア設計~ソフトウェア詳細設計まで、一つの演習課題(クルーズコントロール)を使って実習を行います。
- 演習中心のトレーニングです。
- 講師は車載開発の現場で実践経験のあるコンサルタントが担当します。
- 目的:
- 要求を見つけ出し、正しく定義する能力を身につける
- 方法:
- 要求とそれを実現する仕様まで、階層的に要求を整理するとともに、実装可能なレベルまで詳細に記述する
- 表記法:
- ユースケースモデル、SysML要求図、USDM
- 目的:
- 変更や追加に耐えうるアーキテクチャ(基本構造)を構築する能力を身につける
- 方法:
- 構造設計と振る舞い設計を通して、品質の高いソフトウェアコンポーネントを定義する
- 表記法:
- UML
- 目的:
- 品質の高いMATLAB/Simulink/Stateflowモデルを構築するスキルを身に付ける
- 方法:
- アーキテクチャ設計で作成したMATLAB/Simulinkサブシステムの内部を要求の仕様化で作成したUSDMを参考に、MATLAB/Simulink/Stateflowでモデル化する
- 表記法:
- MATLAB/Simulink/Stateflow
要求の仕様化から単体設計まで、一貫して同じ題材を用います。
題材は、クルーズコントロールシステムを取り上げます。
制御仕様を含む全ての仕様については、一般に入手可能な情報から弊社のこれまでの支援経験を元に、独自に作成した仕様・内容となっています