「ISO26262」 Part3 のコンセプトフェーズでは、対象の製品を理解し、製品のハザードの識別や発生しうる危害を検討、安全を確保するための方針を決定するといったことを行います。
この段階では製品のアーキテクチャや詳細設計が決まっていないため、個々の部品の故障や、安全を確保する技術といった具体的なことは考慮せず、あくまで車両レベルの挙動を検討する必要があります。
つまり、コンセプトフェーズでは、製品の構成要素や製品に発生する故障を論理的、抽象的に捉えた上で、危険な事象や安全を確保するための方針を検討することになります。
例えば「アクセルポジションセンサの入力信号が実際よりも大きい値になる」と考えるのではなく「ドライバ要求加速度を実際よりも大きく認識する」というように考えることで、アクセルペダルによって要求される加速だけでなく、クルーズコントロール時のようにアクセルペダルを操作しない場合の加速についても包括的に検討できるようになります。
しかし、ものごとを具現化する設計・実装のような作業に慣れている人は、抽象的に思考することが苦手な場合があるので、抽象的にものごとを捉えるための訓練が必要になってきます。