システムレベルの開発では、機能安全要求を技術安全要求へと具体化し、機能安全以外の本来の機能と合わせてシステム設計を行います。

技術安全要求の定義では、実際の物理的なアーキテクチャで機能安全要求を実現することを想定して、機能安全要求を技術的な要求へ具体化します。さらに、技術安全要求をハードウェアで実装するのか、あるいはソフトウェアで実装するのかを特定します。
技術安全要求も機能安全要求と同様に、既存システムのフェールセーフ仕様を利用して、ハードウェア・ソフトウェアのどのような機構で安全を確保しているかを整理することにより、技術安全要求を定義することができます。

システム設計では、技術安全要求のシステム構成要素(ハードウェアま たはソフトウェア)への配置を定義します。ここでは単純に技術安全要求を配置するだけでなく、安全機構を本来の機能とは独立して配置することで、ASIL対応に開発コストをかける箇所の局所化を検討します。
今回のサンプルではアクセルペダルセンサを二重化し、センサの故障時にモータ電流を遮断する安全機構を定義しています。更に、本来の機能で故障が起きても安全機構に波及しないよう、安全機構を独立したマイコンに配置し、ASILが求められる箇所をサブマイコンに限定しています。
